OoredooがOFN設立、AI需要で海底ケーブル投資が加速
まず読む基礎解説
2026年2月17日、カタールの通信大手Ooredooグループは海底ケーブル事業を専門とする新会社「Ooredoo Fibre Networks(OFN)」の設立を発表した。AI・クラウドコンピューティングの普及に伴うデータ通信量の爆発的増加への対応を、独立した専門法人で担う戦略的布石だ。
## 1,900kmのFIGケーブルを核に複数プロジェクトを推進
OFNが注力するのは、湾岸協力会議(GCC)地域における複数の海底・陸上光ファイバープロジェクトだ。なかでも中核をなすのが、約1,900kmに及ぶ「FIGケーブルシステム」。欧州とアジアを結ぶ戦略的ゲートウェイとして設計されており、ハイパースケーラー(超大規模クラウド事業者)や生成AIを支えるデータセンターへの大容量接続を担う。
大規模言語モデルのトレーニングには数百ペタバイト規模のデータ転送が伴い、それをリアルタイムで支える海底ケーブルへの要求は従来のウェブトラフィックとは桁が違う。Ooredooがインフラ部門を独立した専門会社として切り出したのも、この需要急増に機動的に対応するためだ。
## 「コネクティビティは経済安全保障そのもの」——業界25年の声
海底ケーブルのプロジェクト管理を専門とするWFN Strategies社は、2026年3月2日に設立25周年を迎えた。同社のWayne Nielsenマネージング・ディレクターは「コネクティビティはもはや選択肢ではなく、経済安全保障であり、国家の強靭性そのものだ」と述べ、戦略的なインフラ整備の重要性を強調した。
この言葉は単なる業界キャッチフレーズではない。2022年以降、欧州周辺の海底ケーブル切断事案が相次ぎ、各国政府は重要インフラとしての監視・防護体制を強化している。民間通信事業者も、安全保障の観点から投資判断をおこなう時代に入った。
## 中東が海底ケーブル市場の新たな競争軸に
中東地域は地理的に欧州・アフリカ・アジアの交差点に位置する。GCCを拠点とする通信事業者は以前から海底ケーブルへの関与を深めてきたが、Ooredooのように専業会社を設立する動きは新しい段階への移行を示している。
AI関連クラウド需要を取り込もうとするハイパースケーラーが独自の海底ケーブル敷設に乗り出すケースも増えている。こうした大手テック企業との競合・協業の中で、専門性の高い独立法人として交渉力を持つことは、Ooredooにとって大きな意味を持つ。
## 通信インフラが「AIエコノミーの基盤」へと変質する
海底ケーブルへの投資は、単なる回線容量の拡張ではなくなった。データセンター間の大容量・低遅延接続への需要は質的に変化し、投資主体も通信事業者からテクノロジー企業へと多様化が進んでいる。OFNの設立はその流れの一端だ。通信インフラが単なるコスト資産から、AIエコノミーを支える戦略投資へと変質しつつあることを、この動きは如実に示している。
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出典
- SubTel Forum: Ooredooグループは2026年2月17日、海底ケーブル事業を専門とする新会社「Ooredoo Fibre Networks (OFN)」の設立を発表した。OFNは、AI、クラウドプロバイダー、ハイパースケーラーによるデータ需要の増加に対応するため...同社は現在、欧州とアジアを結ぶ新たな戦略的ゲートウェイとなるべく、約1,900kmに及ぶ「FIGケーブルシステム」を含む複数のプロジェクトを...進めている。
- SubTel Forum: 海底ケーブルのプロジェクト管理を専門とするWFN Strategies社は、2026年3月2日に設立25周年を迎えた。同社のWayne Nielsenマネージング・ディレクターは、「コネクティビティはもはや選択肢ではなく、経済安全保障であり、国家の強靭性そのものです」と述べ...