海底ケーブルを守る法律 — 切断したら懲役 5 年の世界
海底ケーブルの法的保護の歴史は、インターネットはおろか電話の発明より古い。1884年、パリで「海底電信線保護に関する条約」が締結されたのが始まりだ。
1884 年の国際条約
大西洋横断ケーブルの成功後、漁船によるケーブル損傷が頻発したことを受けて、主要海洋国が集まり国際条約を締結した。この条約は「故意または重過失によるケーブル損傷」を禁止し、違反者の処罰を各締約国に義務づけた。140 年以上前の条約が、現在も海底ケーブル保護の法的基盤となっている。
国連海洋法条約(UNCLOS)
1982 年の UNCLOS は、公海における海底ケーブルの敷設の自由を保障するとともに、ケーブルの損傷に対する国内法整備を各国に求めている。ただし、排他的経済水域(EEZ)内でのケーブル敷設には沿岸国の同意が必要となる場合があり、ここが地政学的な駆け引きの場になることもある。
日本の法律
日本では「有線電気通信法」第 21 条で、有線電気通信設備(海底ケーブルを含む)を故意に損壊した者に「5 年以下の懲役又は 100 万円以下の罰金」を科している。また、過失による損壊でも処罰の対象となる。
漁業者への周知
法的な罰則があっても、漁業者がケーブルの存在を知らなければ事故は防げない。国際ケーブル保護委員会(ICPC)は各国の漁業団体と連携し、海図へのケーブルルート記載の徹底や啓発チラシの配布を行っている。日本でも水産庁と通信事業者が協力して、漁業者への周知活動を実施している。
なぜもっと厳しくしないのか
ケーブル損傷の多くは「故意」ではなく「過失」だ。漁船がケーブルの上でアンカーを下ろしてしまうケースや、海図を確認しなかったケースがほとんど。罰則を厳しくするよりも、漁業者への教育と海底ケーブルの物理的保護(埋設深度の増加)が現実的な対策とされている。
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出典
- ISCPC: 海底ケーブル保護の法的枠組み