「Candle」24ペア海底ケーブル2028年開通

「Candle」24ペア海底ケーブル2028年開通
SoftBankとMetaが共同で建設する新海底ケーブル「Candle」が2028年の運用開始を目指す。日本の三重県志摩からシンガポールへ至る全長約8,000kmのこのケーブルは、24ファイバーペアという日本発着ケーブル最大規模の構成を持ち、NECが建設を担当する。 ## 24ファイバーペアが示す桁違いの伝送能力 海底ケーブルの容量はファイバーペアの数と光伝送技術の組み合わせで決まる。Candleの24ファイバーペアは、2023年に開通したAPRICOT(16ファイバーペア)やSJC2(10ファイバーペア)を大きく上回る日本発着ケーブル最大の構成だ。設計容量の詳細は未公表だが、最新の波長分割多重(WDM)技術を適用すれば数百Tbps級のスループットが見込まれる。1Tbpsが1,000Gbpsに相当することを考えれば、Candleは現行ケーブルとは次元が異なる伝送能力を持つ可能性がある。 ## 三重県志摩を起点に台湾・フィリピン経由で8,000km ルートの起点は三重県志摩で、台湾とフィリピンに中継局を設けてシンガポールへ至る。APRICOTやSJC2とは意図的に異なる経路を採用しており、アジア域内のルート多様性の強化が明確な狙いだ。海底ケーブルは地震や船舶の錨による切断リスクがあるため、経路が分散していることはインフラ冗長性の観点で不可欠な要素となる。約8,000kmという距離は東京〜シンガポール間の航路距離(約5,300km)よりも長く、実際の海底地形に沿った迂回ルートが反映されている。 ## ADCに続くSoftBankの2本目の大型投資 SoftBankにとってCandleは2本目の大規模海底ケーブル参画となる。1本目はADC(Asia Direct Cable)で、日本・韓国・香港・フィリピン・シンガポールを結ぶ現役ケーブルだ。MicrosoftとのNCP(North Pacific Cable)への参加経緯も含め、同社はアジア太平洋の通信インフラにおける存在感を着実に高めている。 ## MetaがアジアPACに海底ケーブルを敷く理由 Meta(旧Facebook)はCandleへの参加以前から、APRICOTやJUPITERなど複数の海底ケーブルプロジェクトに出資してきた。その背景には明確な事業要件がある。FacebookやInstagram、WhatsAppのアジア太平洋ユーザーは全世界の半数以上を占めており、動画・画像を多用する現代のSNS利用では膨大なトラフィックが日常的に発生する。自前のケーブルインフラを持つことは、容量コストの削減と遅延改善の両方でサービス品質に直結するのだ。 ## 2028年、Candleが変えるアジアの通信容量 Candleが開通する2028年は、既存の主要ケーブルが敷設されてから5〜10年が経過するタイミングでもある。インターネットトラフィックは年率20〜30%で増加するとされており、Candleのような大容量ケーブルの追加は長期的な容量計画の一部として位置づけられる。NECが建設を一括で担うことで、設計から敷設・陸揚げまでの工程が一元管理される。アジアの通信インフラがCandleによってどう変わるかは、開通後の容量データが答えを出す。

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