JUNO海底ケーブル350Tbpsで運用開始

JUNO海底ケーブル350Tbpsで運用開始

まず読む基礎解説

2025年、NTTグループが太平洋に敷設した海底ケーブル「JUNO」の運用が始まった。設計容量350Tbpsは日米間のケーブルとして過去最大級であり、2016年に就役したFASTERの約6倍に相当する。 ## ファイバーペア20本、FASTER比6倍の設計 JUNOの最大の特徴はファイバーペアの多さだ。既存のFASTERが6ペアだったのに対し、JUNOは20ペアを束ねる。1ペアあたりの容量は最新のコヒーレント伝送技術によって約17.5Tbpsを実現し、合計350Tbpsを達成した。 全長は約1万500km。60〜80km間隔で150基以上の中継器を配置し、光信号を劣化させずに太平洋を渡らせる。350Tbpsとはどれほどの数字か。4K映画(1本約20GB)に換算すれば、毎秒1,750万本を同時転送できる計算になる。 ## 三重・丸山から米国2拠点へ 日本側の陸揚げ地点は三重県の丸山。太平洋に面した既存ケーブルの集積地点だ。 米国側は北カリフォルニアのユーレカとオレゴン州パシフィックシティの2拠点に分岐する。パシフィックシティにはFacebookのJUPITERケーブルもすでに陸揚げされており、太平洋ケーブルのハブとして機能している。2拠点への分岐は冗長性の確保が目的で、片方の陸揚げ局に障害が発生しても通信を維持できる設計だ。 ## 15年で容量45倍—技術革新の速度 太平洋横断ケーブルの容量推移を見ると、技術進歩のペースが際立つ。2010年に就役したGoogleのUnityは7.68Tbps、2016年のFASTERが60Tbpsだった。JUNOの350Tbpsはこの15年で約45倍に相当する。 建設はNECが担当。NTTグループがSeren Junoとして展開するプロジェクトで、NTTの国際通信戦略の中核に位置づけられる。 ## AIワークロードが日米間の帯域需要を押し上げる これほどの容量を必要とする背景に、AI処理の急増がある。日本企業が米国のクラウドリージョン(AWS・Azure・GCP)でAIモデルを稼働させるケースが増え、大容量データの往来が日常化している。 大規模言語モデルの推論は1リクエストあたり数百MBのデータをやり取りする場合があり、同時リクエスト数が増えるほど帯域の逼迫は深刻になる。JUNOの350Tbpsは、こうした需要増に対する現時点の解答だ。 ## 次世代Taiheiへ、ペタビット時代が視野に JUNOの就役から間もなく、次の世代への動きも始まっている。GoogleとNECが共同で進めるTaiheiは304Tbpsで2027年の完成を予定。マルチコアファイバー技術を活用したペタビット級ケーブルも研究段階に入っている。 日米間の容量が15年で45倍に拡大した事実を踏まえれば、次の15年に何が起きるかは想像に難くない。JUNOは終着点ではなく、あくまで通過点だ。

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出典

  • NTT Group: NTT の海底ケーブル事業に関する情報
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