Googleが新ケーブル3本を発表、海底ケーブル業界の活発な投資と課題

2026年8月11日、Googleはカリブ海、ラテンアメリカ、米国、欧州を結ぶ新たな海底ケーブルシステム「Americas Connect」構想の一部として、3本の新ケーブル「Alisios」「Canoa」「OlaLuz」の敷設計画を発表しました。この発表に前後して、アジア太平洋地域でも大規模な海底ケーブルプロジェクトが進行する一方で、予期せぬケーブル障害も報告されており、国際通信インフラを巡る動きが活発化しています。
Googleが仕掛けるカリブ海ネットワーク強化
Googleの「Americas Connect」構想は、クラウドリージョン間のネットワークパスを多様化し、信頼性を高める狙いがあります。新ケーブル「Alisios」はドミニカ共和国、パナマ、チリを結び、「Canoa」はドミニカ共和国からバミューダへ、さらに「OlaLuz」はドミニカ共和国とフロリダを直接結ぶ計画です。既存の「Firmina」ケーブルもドミニカ共和国への分岐が追加される予定で、同国が新たな主要ハブとなる見込みです。これらの接続により、Googleは米州における自社のネットワークを一層強固にし、データ需要の増加に対応する構えを見せています。
アジア太平洋で加速する海底ケーブル投資
アジア太平洋地域でも、通信容量の需要増大に対応するための大規模な投資が活発化しています。2026年8月11日には、シンガポールを拠点とするLightstorm社が、インド、マレーシア、シンガポールを結ぶ全長約3600kmの「I-2SEA」海底ケーブルプロジェクトに対し、2億6200万ドル(約250億ルピー)の資金を確保したと発表しました。このプロジェクトは、Lightstorm、Microsoft、Singtel、Tata Communicationsが連携するコンソーシアム形式で推進され、日本のNECがシステムサプライヤーを務めるなど、国際的な協力体制が構築されています。
翌日の2026年8月12日には、Keppel社がシンガポール当局から「Kruger」ケーブルシステムの認可を取得しました。シンガポールからマレーシア、バングラデシュ、インドを経て中東のオマーンへと向かうこのケーブルは、地域全体の容量需要を支える目的を持っています。さらに、AIやクラウドサービスの需要急増に対応するため、通信事業者には、従来の共有波長では賄いきれない大容量通信に対応する新たなソリューションが求められています。マネージド・オプティカル・ファイバー・ネットワーク(MOFNs)のような「中間的な」接続オプションの登場は、この課題への業界の回答の一つと言えるでしょう。
予期せぬケーブル障害と復旧の課題
活発な敷設投資の一方で、稼働中のケーブル網の脆弱性も浮き彫りになりました。2026年8月13日、オーストラリアのパース沖では、Subco社が管理する2本の海底ケーブルが政府指定のケーブル保護区域内で同時に障害を起こしたと報告しました。障害の原因は現時点では不明で、自動診断システムがないため、物理的な検査による原因特定が必要とされています。障害発生時刻にケーブル区域を横断した船舶の航跡が確認されたものの、これが直接の原因であるかは断定できず、現在調査が進められています。こうした突発的な障害は、国際通信の安定性に直接影響を及ぼし、復旧には時間と多大なコストを要するものです。
2026年8月中に報じられたこれら一連の動きは、世界のデータ通信量が爆発的に増加する中、安定した国際通信網を維持するための海底ケーブルの重要性を改めて示しています。新たなルートの開拓、既存網の強化、そして予期せぬ障害への迅速な対応と原因究明は、今後も通信インフラ業界が直面し続ける喫緊の課題となるでしょう。特に、パース沖で発生した2本の同時障害がどのような原因によって引き起こされたのか、今後の物理調査の結果が注目されます。
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よくある質問
- 海底ケーブルが切れたら通信はどうなりますか?
- 海底ケーブルが切れると、そのケーブルを介した通信は途絶えます。通常、多くの地域では複数のケーブルが敷設されているため、他のケーブルに通信が迂回されることでサービスへの影響は限定的になることが多いですが、大規模な障害の場合は広範囲で通信速度の低下や接続不良が発生する可能性があります。
- 海底ケーブルの障害はどのような原因で発生しますか?
- 海底ケーブルの障害の主な原因は、漁船の網や船舶の錨による切断、地震や津波などの自然災害、そして海底火山の噴火や海底地滑りといった海洋環境の変化です。多くの場合、人為的な要因か自然災害に起因すると考えられていますが、今回のパース沖の事例のように、原因が特定されないケースもあります。
- マネージド・オプティカル・ファイバー・ネットワーク(MOFNs)とは何ですか?
- MOFNs(Managed Optical Fiber Networks)は、AIやクラウドサービスの需要増に対応するため、通信事業者によって提供される光ファイバーネットワークの新しい形態です。顧客が自身でダークファイバーを構築・運用する手間を省きつつ、従来の共有回線よりも高い柔軟性と容量を提供する「中間的な」ソリューションとして注目されています。
出典
- Subtel Forum: Google Announces Three New Americas Subsea Cables
- Subtel Forum: Lightstorm Secures $262M for I-2SEA Cable
- Subtel Forum: Keppel Secures Kruger Cable Licence
- Telegeography: Much Ado About MOFN
- Subtel Forum: Subco Reports Concurrent Perth Cable Faults