Starlinkと海底ケーブルを比べる前に確認したいこと

海底ケーブルを題材にしたイメージ
海底ケーブルを題材にしたイメージです。実際の設備や出来事を撮影した写真ではありません。

比較の出発点

Starlinkの利用者向けサービスと海底ケーブルの幹線を比べるときは、通信する二地点と数字の測り方をそろえる必要があります。

  • 設計容量・網全体の容量・利用者の実測速度は別の指標
  • 遅延は同じ出発点・到着点・測定方法で比較する
  • 代替経路として使える通信量は現地の設備と空き容量で変わる

「Starlinkが速くなったから海底ケーブルは不要」という話も、「ケーブル1本は衛星網の何倍」という話も、まず何を測った数字かを確かめる必要があります。海底ケーブルは陸上の拠点同士を結ぶ通信路です。Starlinkは低軌道衛星、利用者の端末、地上局、インターネット接続拠点などを組み合わせたサービスです。比較する場所と範囲が違えば、同じ単位の数字でも意味が変わります。

容量:設計値と利用者の速度を混ぜない

海底ケーブルの「設計容量」は、そのシステムを設計するときの伝送能力です。衛星網の総容量、ある地域で提供できる容量、利用者が実際に測ったダウンロード速度はそれぞれ別の指標です。Starlinkの公式ネットワーク報告も、打ち上げ済みの累積容量、利用者の速度、遅延を分けて示しています。

比較表を見るときは、対象区間・時点・設計値か実測値か・同時に利用する人の範囲を先に確認しましょう。この条件がそろわない限り「何倍」という結論は出せません。光ファイバーと海底中継器の役割は一枚絵の工学ガイドで学べます。

遅延:出発点と到着点をそろえる

低軌道衛星は静止衛星より地表に近く、電波が往復する時間を短くできます。ただし利用者の端末からインターネット接続拠点までの待ち時間と、日本から海外の特定サーバーまでの往復時間は別の測定です。Starlink自身も、衛星との往復に加え、衛星間リンク、地上局から接続拠点までの経路が遅延を左右すると説明しています。

ある用途の速さを確かめるなら、同じ二地点、同じ時間帯、同じ往復・片道の定義で測ることが必要です。「低軌道だから必ず速い」「海底だから必ず速い」とは言えません。

故障時:つながることと肩代わりできる量は別

衛星は船や遠隔地への接続、地上設備が使えないときの代替経路として役立ちます。しかし予備回線として使えるかは、現地の端末・電源・契約と、その場で利用できる容量によります。海底ケーブルも、別ルートと空き容量があって初めて障害を迂回できます。

海底ケーブルの必要性を広く考えるなら衛星との役割分担へ。ケーブル地図を見ると、どの場所を固定回線が結んでいるかを確認できます。

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出典

Starlink衛星通信海底ケーブル比較LEO衛星通信インフラ