海底ケーブルの建設費と技術:投資額・波長・容量を分けて比べる

海底ケーブルを題材にしたイメージ
AI生成のイメージです。実際のケーブル、陸揚げ局、出来事を撮影した写真ではありません。

海底ケーブルを比べる際、投資額と通信容量を一つの順位にまとめると、違うものを比べることになります。総建設費はプロジェクトの金額で、通信容量は構成や伝送条件によって定義される値です。

建設費を出資者の人数で割ってよいか

KDDIのFASTER建設発表は、6社の共同建設と約3億米ドルの総建設費を示しています。しかし、6社が参加するから各社の負担が必ず6分の1だとは限りません。比率が公表されていなければ、均等出資を前提にしないようにします。

同じ理由で、総建設費をそのまま月額の回線利用料や、光ファイバー一本の価格へ置き換えることもできません。費用の範囲をそろえる手順は建設費の読み方で扱っています。

容量には複数の段階がある

NECのFASTER完成発表は、100Gbpsの信号を100波長、6ペアで構成する初期設計容量60Tbpsを示しています。100Gbpsと60Tbpsは、同じ設備についての別の単位です。

比較したいもの そろえる条件
伝送技術 波長当たりの速度、距離、信号方式
ケーブルシステム ペア数、設計容量、対象区間
利用者のサービス 契約速度、接続先、利用条件

一つの波長の値とケーブル全体の値を比べて、「技術が何百倍になった」と結論付けることはできません。

波長多重とコヒーレント伝送の役割

NECの2016年の技術資料は、複数の波長を使う伝送と、受信側のデジタル信号処理による信号劣化の補償を説明しています。多くの信号を同時に運ぶことと、長距離伝送で信号を正しく受け取ることは、それぞれ必要な役割です。

この技術説明だけから、あらゆるケーブルで同じ増速率が得られるとは言えません。公表された数値には、そのときの装置と距離などの条件が付いています。

投資の記事と技術の記事をつなげるときは、「何に投資し、どの構成で何の容量を実現したか」を確認します。数字が大きいという理由だけで、費用対効果や個々の通信速度まで決めない読み方です。

2026年9月30日訂正:専門家が解説したという要約、光ファイバー1本200Tbps、比較条件のない100倍という断定を撤回。公表された建設費と伝送仕様を対象・時点付きで記載しました。

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よくある質問

6社で建設したら費用は必ず6等分ですか?
そうとは限りません。共同建設の参加社数と、各社の出資・費用負担の比率は別の情報です。
伝送技術が進歩したら利用者の速度も同じ倍率で上がりますか?
同じ倍率とは限りません。波長当たりの仕様、システム全体の容量、個々の契約速度は分けて確認します。

出典

海底ケーブル通信インフラテクノロジー地政学