Google「Topaz」— 日本とカナダを直結する初の海底ケーブル
まず読む基礎解説
Google が建設した海底ケーブル「Topaz」は、日本とカナダを直接結ぶ 初めての海底ケーブル として 2024 年に運用を開始した。千葉県千倉からカナダ・バンクーバー島のポートアルバーニまでを結び、北太平洋ルートに新たな選択肢を提供している。
なぜ日加直通が画期的なのか
これまで日本とカナダの間に直通の海底ケーブルは 1 本も存在しなかった。日加間の通信はすべて米国経由——つまり、一度米国西海岸(ロサンゼルスやシアトル)に上陸してから、陸上の光ファイバーでカナダに向かうルートだった。
Topaz により、日本〜カナダ間のトラフィックが 米国のネットワークを経由せず直接伝送 できるようになった。これは技術的なメリット(遅延短縮)だけでなく、データ主権(データが第三国を通過しない)の観点からも重要だ。
技術仕様
- 全長: 約 10,000km(千倉〜ポートアルバーニ)
- ファイバーペア: 16 ペア
- 設計容量: 240Tbps
- 建設: SubCom が製造・敷設を担当
- 投資形態: Google のプライベートケーブル(全額 Google 出資)
240Tbps はJUNO(350Tbps)に次ぐ規模。Google Cloud の東京リージョンとカナダ西部のインフラが高速・大容量で直結された。
冗長性とルート多様化
太平洋横断ケーブルの多くは日米間(千倉/志摩 → ロサンゼルス/オレゴン)に集中している。もしこのルート上で大規模な地震や海底地すべりが発生すれば、複数のケーブルが同時に被害を受けるリスクがある。
Topaz は日米ルートとは異なる 北太平洋ルート(千倉→アリューシャン列島沖→バンクーバー島)を通る。この地理的な分散が、インターネットインフラ全体の 耐障害性を向上 させる。
Google は Topaz に加えて以下のケーブルも運用・建設中:
これにより Google は太平洋に 4 本以上のケーブルネットワーク を構築し、日本を起点とした冗長性の高い通信基盤を確立している。
ポートアルバーニの変貌
ポートアルバーニはバンクーバー島中部に位置する人口約 18,000 人 の町。かつては林業と漁業で栄えたが、産業の衰退に直面していた。
Topaz の陸揚げ地点に選ばれたことで、この町は「カナダ西海岸のデジタルハブ」としての変貌を遂げつつある。ケーブル陸揚げ局の建設に伴い、データセンター関連の投資が見込まれ、雇用と経済への波及効果が期待されている。
Google が陸揚げ地点にポートアルバーニを選んだ理由は複数ある:
- 地形: バンクーバー島の入江は天然の港として保護されており、ケーブル敷設に適している
- 北太平洋ルートへの近さ: カナダ西海岸の中でも日本に最も近い位置
- 既存インフラ: カナダ本土との光ファイバー接続が確保できる
Google のインフラ投資の全体像
Google は世界で 30 本以上 の海底ケーブルに出資または単独保有しており、累計投資額は推定 100 億ドル超。Topaz はその最新プロジェクトの一つで、AI データセンター間の大容量通信需要に対応する戦略的投資だ。「自社で使う容量は自社で建設する」——Google のインフラ哲学を体現するケーブルと言える。
この記事は信頼性の高い業界情報源に基づき作成し、編集部が内容を確認・監修しています。お気づきの点はお問い合わせよりお知らせください。
出典
- Google Cloud Blog: Topaz ケーブルの概要と技術仕様